
みなさんこんにちは、かたぴ(@katapi1103)です。Uber Eats やWoltを始めとしたフードデリバリー4社で配達員をやってます。
「とある店舗に注文したんだけど、なかなか配達員が決まらない・・・」
「料理は出来てるのに、なかなか配達員が取りに来ない・・・」
フードデリバリーサービスを利用していてこんなことはありませんか?
それってもしかしたら商業施設内の店舗だからかもしれません。
フードデリバリーにおける商業施設内の店舗とは、いわゆるショッピングモールに入っている飲食店を指します。
ショッピングモール以外だとJRの主要駅の駅ナカとかにある商業施設も同様ですね。
みなさんの住んでいる街にもひとつやふたつ、こういった商業施設があるのではないでしょうか。
結論から言うと、商業施設内の店舗は配達員から嫌われる傾向があります。
その大きな理由は2つあり、商品のピックアップに時間がかかるからというのと駐禁を切られるリスクがあるからです。
このうち片方だけ満たす商業施設もあれば、両方満たす商業施設もあります(後者がより嫌われるのは言うまでもありません)
そこで、この記事では商業施設でピックアップするとはどういうことなのかを配達員目線で解説していきたいと思います。
嫌われる理由①ピックアップに時間がかかるから
フードデリバリーにおいてピックアップとは、お店に向かい、お客さんが注文した商品を受け取ることを指します。
まず、大前提としてピックアップの時間が長くなれば長くなる店ほど配達員から敬遠されるということを覚えておいてください。
そして商業施設内の店舗へのピックアップはどうしても時間がかかる傾向があります。
配達員にとってのピックアップの時間とは?
配達員にとってピックアップの時間とは以下の3点から成り立ちます。
- 現在地から車両を運転して店まで向かう時間
- 駐車・駐輪した場所から店まで歩いて行って戻ってくる時間
- 店の前で待たされる時間
このうち、商業施設内の店舗というのは2番目の『駐車・駐輪した場所から店まで歩いて行って戻ってくる時間』が長くなりがち。
建物の構造上、物理的にどうしてもね。
ピックアップに時間をかけても報酬は変わらない
問題なのは、この『駐車・駐輪した場所から店まで歩いて行って戻ってくる時間』というのが報酬にはまったく影響しません。
路面店だろうが、商業施設内の店だろうが、配達員の報酬は同じなのです。
また、商業施設の1階にある店舗だろうが、3階にある店舗だろうが同様です。
ピックアップに時間をかけすぎていると配達件数をこなせず1時間あたりの報酬が少なくなります。
報酬の仕組みは各社で異なれど、少しでも配達件数をこなしたほうが報酬面で美味しくなることに変わりはないので。
つまり、配達員にとって同じ報酬なら少しでもピックアップが楽な店のほうがいいのは言うまでもありません。
入館手続きは商業施設の店舗が嫌われる代表例
商業施設によっては入館手続きが必要なところがあります。
これが実に面倒で、配達員から嫌われるレベルが一気にアップします。
つまり、お店で商品を受け取るために一般のお客さんのように商業施設の入口(エントランス)から入ってはダメで、警備員のいる業者用の入口から入らないといけないということです。
業者用の入口から入ると、入館手続きとして以下のような情報を紙に記入して、入館の許可を得ないといけません。
- 業者名
- 氏名
- 電話番号
- 入館時刻
- 退館時刻
- 入館証(バッジ)の番号
- ナンバープレートの数字(配達車両がバイクまたは軽貨物の場合)
普通に一般のお客さんの入口から入れば店がすぐなのに、店に向かう前に業者用の入口に通されて入館手続きまでしないといけないので余計にピックアップに時間がかかってしまいます。
こんなに面倒なことをしても報酬は他の店とまったく同じ。
つまり、入館手続きが必要な商業施設内の店舗は、配達員にとって非効率の極みなのです。
かたぴ
嫌われる理由②駐禁を切られるリスクがあるから
ふたつめの理由は駐禁を切られるリスクです。
これはバイクや軽貨物の配達員に言えることになりますね。
特に大都市に多いのですが、駅ナカなどの商業施設には駐車場が無いこともあります。
あっても有料のコインパーキングだけとか、施設内で○円以上利用すれば1時間無料になるみたいな。
正直なところ、駐車料金を払ってまで商業施設内の店舗にピックアップする配達員は皆無に等しいです。
駐車料金は支払われない
配達員は有料のコインパーキングを使用したとしても駐車料金は報酬として支払われません。
つまり、駐車料金は配達員の自腹。
配達1件たかだが数百円〜五百円くらいなのに、1件の配達のためだけに有料のコインパーキングなんか停めたら大赤字です。
なので無料の駐車場がない商業施設へのピックアップの場合、駐車禁止の道路沿いに駐車してリスク覚悟でダッシュで取りに行くのがほとんど。
駐禁を切られたら放置違反金も自腹
更に、フードデリバリーの配達員は駐禁を切られたら放置違反金の支払いも自腹です。
フードデリバリーの運営が補填なんてしてくれません。
駐禁を切られて放置違反金の支払いなんてしたら一日の売上が一瞬で吹っ飛ぶという。
バイクや軽貨物で配達員として仕事をする以上、配達中に駐禁を切られないかどうかにはかなり神経を尖らせているんです。
つまり、下記のような特徴を併せ持つ商業施設内の店舗はバイクや軽貨物の配達員からかなり嫌われます。
- 商業施設に無料駐車場が無い
- 車両を停めた所に戻ってくるまでに時間がかかる
- 駐禁リスクの高い駅の周辺である(駐車監視員の出現率が高い)
駐禁リスク回避のため配達キャンセルすることもある
駐禁リスクの高い商業施設内の店舗に当たってしまった場合、バイクや軽貨物の配達員の中には駐禁リスク回避のため配達キャンセルする人もいます。
配達遅延防止の観点からも推奨されるものではありませんし配達キャンセルのやりすぎはアカウントに傷が付く恐れもありますが、配達キャンセルは配達員に認められた権利でもあります(配達キャンセルしたところで注文自体はキャンセルされず、他の配達員にその配達が回るだけなので)
配達キャンセルすると報酬が1円も支払われないので配達員としては店に向かっただけ損になりますが、駐禁を切られて放置違反金を払わなきゃいけなくなるよりは遥かにマシ。
配達員からしたら、ただでさえ商業施設内というだけでピックアップに時間がかかって面倒なのに「駐禁リスクを負ってまでやってられっか!」って話です。
バイクや軽貨物の配達員にはそういったリスクマネジメントも求められていますね。
かたぴ
まとめ
- 商業施設内の店舗はピックアップに時間がかかる傾向がある
- どんな店でピックアップしようが報酬は同じ
- 配達員にとってピックアップは楽な店のほうが良い
- 駐禁リスクの高い商業施設内の店舗も嫌がられる
- 駐車料金や駐禁を切られたときの放置違反金は支払われない
配達員はどのお店で商品をピックアップするか選ぶことができるので、配達員から嫌われる店はなかなか配達員が決まりにくいという特徴があります。
嫌われる店は配達員の間でも話題になるくらいですからね…笑
嫌われる店の特徴はいくつかありますが、そのうちのひとつは商業施設内の店舗であるというのは間違いありません。
自分がUber Eatsで注文するとき、気になる店があってもまずは住所を確認する
それで大型商業施設の中の店だと分かると結局他の店を選んでしまうことが多々ある
というのも自分が配達員もやってるから「自分がピックに行く立場だったら?」をいつも考えてしまうからだ
これもひとつの職業病だろうか?— かたぴ@旅するフードデリバリー????????(現在地: 八戸) (@katapi1103) June 13, 2021
自分はフードデリバリーで注文するとき、商業施設内の店舗は極力避けて注文しています。
理由はこの記事で書いてきた通りですね。
自分自身が配達員もしているので、商業施設内の店舗でここはまだラク、ここはかなりキツいというのが分かっているからです。
フードデリバリーで注文するときはその店がどこにある店なのかは見ておくと配達員が決まりやすくなるかもしれませんよ????