みなさんこんにちは、かたぴです。2019年2月にUber Eatsの配達を始め、現在はWolt・出前館・menuの配達員もやっております。自転車・バイク・軽貨物それぞれでの配達経験もあります。
Uber Eats・Wolt・出前館・menuの配達員の仕事を始めようと思っている方へ。
フードデリバリーの仕事において原付(以下、バイク)での配達が一番バランスが良いかなと。
なぜかというと、体力温存・コスパの良さ・配達スピード・機動性の高さを兼ね備えている車両がバイクだからです。
私はフードデリバリーの仕事ではUber Eats から始めたのですが、最初は自転車で配達を始め、そこからバイク(125cc)、軽貨物と車両変更をして現在に至ります。
今でこそ軽貨物でフードデリバリーもやるようになりましたが、それでも「今後フードデリバリーの仕事で、自転車・バイク・軽貨物のどれかひとつしか選べないとしたらどれを選ぶ?」と聞かれたら自分はバイクだと答えるでしょう。
どの車両でも最低1000回以上は配達してきたので、各車両の良いところや悪いところも存分に味わってきました。
そこでこの記事ではフードデリバリーの仕事においてバイクで配達するメリット・デメリットを徹底解説!
バイクでの配達を考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
バイクで配達するメリット
フードデリバリーの仕事において、バイクで配達するメリットは以下の通りです。
- 機動性とスピードを兼ね備える
- 体力の消耗が抑えられる
- 迅速な配達で商品の品質低下を少しでも抑えられる
- 駐車時に後続車両の邪魔になりにくい
- 屋根付き車両なら雨風も防げる
- 押し歩きでショートカットもできる
- ナビに出ないルートも活用できる
- 軽貨物より燃費が4〜5倍良い
- 250cc未満なら車検が不要
- 125cc未満なら事業用ナンバーの取得不要
ひとつひとつ見ていきましょう。
機動性とスピードを兼ね備える
やはりこれがバイクで配達するときの最大のメリットでしょう!
狭い道でのすれ違いも楽で、小回りもきくし、さっとUターンもできる。
また、軽貨物での配達より渋滞の影響も受けにくい。
自転車のような機動性と車と同等のスピードの組み合わせは効率的に配達をする上で非常に強みです。
効率的な配達は時間あたりの収益向上に直結します。
体力の消耗が抑えられる
自転車と違ってバイクはスロットルをひねるだけで走ります。
長距離の配達を何日も続けていくと自転車との体力の消耗の違いを大きく感じられるはず。
フードデリバリーの仕事でガッツリ稼ごうと思ったら長時間の配達を続けないといけないので、稼ぐためにも体力温存は重要です。
迅速な配達で商品の品質低下を少しでも抑えられる
フートデリバリーという仕事上運ぶモノが飲食物であることが多いため、迅速に配達しないと品質が下がりやすいという問題があります。
軽貨物の場合は「渋滞にハマりやすかったり」とか「駐車場所を考えないと後続車両の迷惑になったり」とか「転回の難易度が上がったり」などで時間がかかる要素が多いため、これらをスムーズにこなせるバイクは大きな強みかなと。
配達距離が長くても持ち前のスピードで迅速に届けることができて、商品の品質低下を少しでも抑えられるのもバイクならでは。
駐車時に後続車両の邪魔になりにくい
バイクは軽貨物と比べると車幅が小さく、自転車と同じような感覚で駐車できるので後続車の邪魔になりにくいです。
軽貨物だと店やお届け先の前で駐車するときに場所を考えないと他の車両が通れなくなって、車両を離れている間にクラクションを鳴らされることもあるので、結構あせるんですよね。
あまり推奨はできませんが「バイクなら歩道上の狭い敷地に車両をとりあえず突っ込んでおくこともできてしまう」ので、クラクションを鳴らされるようなことはほぼないでしょう。
屋根付き車両なら雨風も防げる
ジャイロキャノピーやベンリィといった車両はカスタムでルーフ(屋根)を取り付けることも可能です。
ルーフを付けると費用もそれだけかさんでしまいますが、ルーフ付き車両なら雨風による走行中の体力消耗を抑え、ワイパーで良好な視界を確保することもできますね。
もちろん軽貨物には及びませんが、機動性を活かしながら走行中に雨風を防げるのは魅力的なポイントのひとつ。
押し歩きでショートカットもできる
エンジンを切った状態でバイクを押し歩きすれば、道路交通法上、歩行者として見なされます。
つまり、横断歩道を渡ったり、歩道を移動したり、一方通行の逆走もできるということに。
上手く活用するとショートカットができたり信号の待ち時間を減らしたりできて、配達効率を高めることができます。
一見チートのようですが、違法ではなくバイクだからこそできるメリットですから活かさない手はありません。
押し歩きで歩行者として見なされるのは2輪車限定です。ジャイロキャノピーのような3輪車は適用外ですのでお気をつけて(トリシティは大丈夫とのこと)。
ナビに出ないルートも活用できる
Google Mapなどの地図アプリでのルート検索は基本的に車のルートで表示されるので以下のようなルートは検索結果に出てきません。
- バイクなら一方通行の逆走ができる区間(車は逆走不可)
- 車が1台すら通れないほど狭い道路
- 押し歩きでショートカットができる区間
そのため、愚直にナビに従って走るより、上記のようなルートを使うと思わぬショートカットができることも。
実際に走ってみないと知り得ないルートを探すこともバイクでの配達の醍醐味!
軽貨物より燃費が4〜5倍良い
車種にもよるので一概には言えませんが、バイクでの配達ならガソリン1Lあたり40〜50km台を走れる車両もザラにあるんですよね。
軽貨物での配達だとガソリン1Lあたり10〜15km前後になってしまうので燃費が全然違います。
非常にコスパが良いというのもバイクでの配達ならでは。
250cc未満なら車検が不要
排気量が250cc未満のバイクであれば車検は不要です。
軽貨物だと2年に一度の車検代も馬鹿になりませんから、維持費を安くするという点でもバイクでの配達の強みと言えます。
125〜250ccのバイクは車検こそ不要ですが、フードデリバリーの仕事で使用するには事業用ナンバー(緑ナンバー)を取得しないといけません。詳細は後述。
125cc未満なら事業用ナンバーの取得不要
排気量が125cc未満(原付一種または原付二種)のバイクであれば事業用ナンバー(緑ナンバー)の取得は不要です。
恐らくバイクで配達される大半の方が125cc未満の原付なんじゃないでしょうか。
つまり、元々のナンバープレート(白・黄色・ピンク)のまま配達できるということに。
事業用ナンバーを取得しようと思ったら最寄りの運輸支局や軽自動車検査協会に出向いて書類を提出する必要があるほか、自賠責保険や任意保険で車両情報の変更手続きも必要なので、少し手間がかかりますからね〜(最速でも半日程度かかる)
軽貨物での配達だと必ず事業用ナンバーが必要になるので、事業用ナンバーが不要な125cc未満のバイクは明らかに楽です。
コスパの良さと配達効率の良さを考えたらバイクでの配達はメリットが多すぎるくらい。それでは次にバイクでの配達のデメリットを見ていきましょう。
バイクで配達するデメリット
フードデリバリーの仕事において、バイクで配達するデメリットは以下の通りです。
- 免許証が必要
- 毎月の支出が増える
- 一方通行の影響を受ける
- 事故ったときのリスク大
- 冬場はとにかく寒い
- 駐禁を切られると売上が吹っ飛ぶ
- メンテの難易度が上がる
ひとつひとつ見ていきましょう。
免許証が必要
バイクで配達するなら排気量に応じた運転免許証が必要です。
まぁ車の運転免許証を持っていれば原付免許(50cc未満のみ)も一緒に付いてくるので、原付で良いのなら新たに免許を取る必要は無いんですけどね。
もちろん、大学生など「まだ免許証は持ってない」という人は、配達を始める前に教習所から通うところから始めないといけません。
毎月の支出が増える
バイクでの配達になると自転車よりはどうしても支出が増えます。
- ガソリン代
- 月極駐輪場代
- 各種メンテ費用
- 自賠責保険
- 任意保険
- 軽自動車税(年1回)
たまにバイクで配達している人で「任意保険は入ってません」なんて人がいますが、月々6,000円程度の費用さえ払えない(払う覚悟がない)のならバイクで配達なんてしないほうがマシです。
自転車よりスピードが出るので「バイクでの配達は自分だけでなく他人をケガさせるリスクも高いんだ」ということを自覚してください。
「支出が増えたってそれ以上に稼いでやるさ」と思える人ならバイクでの配達はアリです。
一方通行の影響を受ける
バイクで配達する以上は一方通行を考慮したルートで配達する必要があります。
今までずっと自転車で配達してきた人がバイクに車両変更すると、まず真っ先に感じる難しい点かなと。
車両の押し歩きができるので軽貨物よりはまだマシですが、自転車よりは配達ルートを間違えたときのリカバリーは大変です。
もちろんメリットでも書いた通り「バイクが一方通行を逆走できる道路もあるにはある」のですべて逆走不可ではないですが、基本的に一方通行は逆走できないところがほとんどだと思ってください。
事故ったときのリスク大
自転車よりもスピードが出ますが軽貨物みたいにシートベルトは無いのでとにかく交通事故だけには気をつけないといけません。
原付だからって安い半ヘルではなく、ジェットヘルメットなどちゃんと後頭部も守るヘルメットをかぶりましょう。
あと胸部プロテクターもお忘れなく。バイクによる交通死亡事故の第2位が胸部へのダメージという現実があります(第1位は頭)
死んだらすべて終わりですよ!!安全を最優先にしてくださいね!
冬場はとにかく寒い
自転車はペダルをこいでいれば段々身体が暖かくなりますし、軽貨物には暖房があります。
しかし、バイクは冷たい風を高速で浴び続けることに。
着込むのはもちろんのこと、必要に応じて以下の導入も検討してください。
- グリップヒーター(オススメ)
- ウィンドスクリーン
- 貼るカイロ
- ネックウォーマー
- 電熱ジャケット
防寒対策として首にマフラーを巻くのだけは止めましょう!高速で回転するホイールやチェーンに万が一マフラーが巻き込まれると首が絞まって窒息死に至るリスクがあります。
駐禁を切られると売上が吹っ飛ぶ
バイクや軽貨物での配達では常に駐禁を切られるリスクが付きまといます。駐禁を切られたら一日の売上がいとも簡単に吹っ飛んでしまいますからね。
お店に到着して駐禁のリスクが高いと感じたのであれば配達キャンセルするのも立派な防衛策のひとつ。
残念ながら駐禁を切られてもどのフードデリバリーも放置違反金の補填はしてくれませんよ。
駐禁は自己責任ですから十分に気をつけましょう!
配達キャンセルのやり過ぎはペナルティーを受ける恐れがあります(Uber Eats・Wolt・出前館・menuの中なら、Woltが一番配達キャンセルはゆるい)
メンテの難易度が上がる
自転車より車両メンテナンスの難易度は間違いなく上がります。
配達中に車両トラブルが発生した場合、その場で自分でなんとかできる範囲は限られることでしょう。
正常に走れなくなってしまったら店まで押し歩きで行かないといけませんからね。まぁ軽貨物よりは押して行けるだけでもマシではあるのですが。
私は自転車だったら自分で色々メンテしちゃいますが、バイクだとほぼ店に持ち込んでお金払ってでもやってもらってます。
やはりバイクは自転車より事故ったときのリスクがあるので、プロの手に任せたほうが安心じゃないですか。
安全と安心をお金で買うイメージです。
このように配達の仕事を始める金銭的ハードル・心理的ハードルが高くなってしまうので、私としてはまずは自転車から始めることをオススメしています。
まとめ
フードデリバリーの仕事において、バイクで配達するメリットは以下の通りです。
- 機動性とスピードを兼ね備える
- 体力の消耗が抑えられる
- 迅速な配達で商品の品質低下を少しでも抑えられる
- 駐車時に後続車両の邪魔になりにくい
- 屋根付き車両なら雨風も防げる
- 押し歩きでショートカットもできる
- ナビに出ないルートも活用できる
- 軽貨物より燃費が4〜5倍良い
- 250cc未満なら車検が不要
- 125cc未満なら事業用ナンバーの取得不要
また、フードデリバリーの仕事において、バイクで配達するデメリットは以下の通りです。
- 免許証が必要
- 毎月の支出が増える
- 一方通行の影響を受ける
- 事故ったときのリスク大
- 冬場はとにかく寒い
- 駐禁を切られると売上が吹っ飛ぶ
- メンテの難易度が上がる
とにかくコスパの良さと配達効率の良さが強みで、全車両の中でも一番バランスが良いんじゃないかなと。
まずは自転車で配達に慣れて、その後に配達員一人ひとりの状況に応じてバイクか軽貨物への変更を検討するのが王道ルートだと感じますね。
もちろんメリットしか無い車両なんてありません。自転車・バイク・軽貨物どれだって何らかのデメリットがありますから。
その人にとってデメリットよりメリットによる恩恵が最も大きいと感じる車両で配達すればいいのです。
なんにせよ「自転車の機動性の高さ」と「車の体力温存やスピード感」を併せ持つのがバイクでの配達と言えます。